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ネットいじめはどれくらい起きている?小中高の件数は11年で約3.1倍、心への影響の研究も

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的資料2件を整理
誰もいない教室の机
Photo: Mercedes Steph / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・教材の紹介はしていません。出典は末尾)。

ネットいじめは、親からいちばん見えにくいいじめです。学校が把握した件数は、2024年度に27,365件で、2013年度の約3.1倍になりました。被害を受けた子は、落ち込みや死にたい気持ちとの関連が研究で繰り返し報告されています。数字と研究を、落ち着いて見ていきます。

3行でわかる

  1. 学校が把握した「パソコンや携帯電話等」によるいじめは、2024年度に27,365件。2013年度の8,788件から毎年のように増えています。
  2. いじめ全体に占める割合は、小学校1.9%、中学校9.3%、高校13.9%。学年が上がるほどネットの比重が大きくなります。
  3. 被害を受けた子は、落ち込みや自分を傷つける行動と関連がありました。ただし多くは一時点の調査で、原因と結果の向きはまだはっきりしません。

01 結論から言うとネットいじめはどれくらい起きていて、心にどう影響する?

学校が把握したネットいじめは2024年度に27,365件で、2013年度以降で最も多くなりました。被害を受けた子は、落ち込みや死にたい気持ちとの関連が複数の研究で報告されています。

この数字は、全国の小中高・特別支援学校が「いじめ」として把握した件数です。子どもが誰にも言わなかったものは入りません。

海外の研究をまとめたレビューでは、子どもに直接たずねたネットいじめの経験の割合は、研究ごとに大きく違いました。報告された値の真ん中(中央値)は23.0%です。学校が把握した件数は、実際に起きている数の一部と考えるのが自然です。

02 研究とデータでわかっていること件数の推移と、学年による違いは?

学校が把握したネットいじめは、2013年度の8,788件から2024年度の27,365件へ、11年で約3.1倍になりました。いじめ全体の3.6%ですが、高校では13.9%を占めます。

27,365件学校が把握したネットいじめ(全国の小中高・特別支援学校、2024年度)
約3.1倍2013年度の8,788件からの増え方(2024年度まで)
13.9%高校のいじめのうちネットによるものの割合(小1.9%・中9.3%、2024年度)
2.15被害を受けた25歳未満の子・若者が死にたい気持ちを持つオッズ比(被害なしと比べて、2018年のメタ分析)

文部科学省の調査(2024年度)から、学校が把握した件数の推移を並べると次のとおりです。

小学校は割合こそ1.9%と小さいものの、いじめの認知件数そのものが610,612件と最も多い学校種です。小学生だから無関係、とは言えません。

文部科学省(2025年公表、2024年度の調査)[1]

「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」いじめは27,365件(前年度24,678件)で、いじめ全体に占める割合は3.6%(前年度3.4%)でした。調査は「引き続き増加傾向にある」としています。

対象: 全国の国公私立の小・中・高校と特別支援学校 / 限界: 学校が把握した件数で、子どもが打ち明けなかったものは含まれません。

心への影響は、研究でどこまでわかっている? 複数の研究のまとめで、ネットいじめの被害は落ち込み(抑うつ)や、自分を傷つける行動・死にたい気持ちと関連していました。いじめた側にも、小さいながら関連が見られました。

Hamm ら(2015年)[2]

ソーシャルメディア上のネットいじめを調べた36件の研究のレビューです。10件の研究で、ネットいじめと抑うつの間に統計的に意味のある関連がありました。研究をまたいで一貫していたのは、抑うつとの関連でした。

対象: 主に12〜18歳、約6割が米国の研究 / 限界: 不安との関連は弱いか一貫せず、自傷などを調べた5件は結果が分かれていました。

John ら(2018年)[3]

26件の独立した研究(156,384人)をまとめたメタ分析です。被害を受けた子・若者は、受けていない人と比べて、自分を傷つける行動のオッズ比が2.35、死にたい気持ちのオッズ比が2.15でした。いじめた側でも、死にたい気持ちのオッズ比は1.23でした。

対象: 25歳未満の子ども・若者 / 限界: オッズ比は「起きやすさの比」の目安で、確率がそのまま2倍という意味ではありません。関連がなかった研究も5件ありました。

Kowalski ら(2014年)[4]

ネットいじめ研究のメタ分析では、被害と最も強く関連していたのは、ストレスと死にたい気持ちでした。いじめる側では、「攻撃してもかまわない」という考え方などとの関連が強く出ました。

対象: 子ども・若者を対象にした研究の統合 / 限界: 著者ら自身が、原因と結果の向きがわからない点を限界に挙げています。

03 まだわかっていないことネットいじめが心の不調の原因だと言える?

まだ言い切れません。被害と心の不調の関連ははっきりしていますが、どちらが先か、従来のいじめの影響とどう分けるかは、研究でまだ結論が出ていません。

  • 研究の多くは一時点の調査です。落ち込んでいる子が狙われやすい、という逆向きの可能性も残ります。
  • ネットいじめが、教室での従来のいじめに上乗せしてどれだけ影響するのかは、今後の研究課題とされています[4]。
  • 件数が増えたのは、実際に増えたからか、学校が見つけやすくなったからか。この統計だけでは区別できません。
  • 紹介した研究は欧米中心です。日本の子どもを対象にした、心への影響の大きな研究は今回の調査では見つかりませんでした。

04 家庭で今日からできること数字を知った親は、まず何をすればいい?

怖がらせるより、「ネットで嫌なことがあったら話していい」と伝えておくことです。被害を受けた子の対応は、受け身になりやすいと報告されています。

先のレビュー[2]では、被害を受けた子の対応は受け身のものが最も多く、何かできることがあると知らない・思えていない様子が広く見られました。親が先に、話せる道をつくっておく意味はここにあります。

1

「話しても取り上げない」と先に約束する

打ち明けたらスマホを取り上げられる、と思うと子どもは黙ります。「嫌なことがあっても、話したからといって使えなくはしない」と、何も起きていない今のうちに伝えます。

目安 スマホを持つ前後に1回、学年が上がるたびにもう1回

2

「される側」と「する側」の両方を話題にする

いじめた側にも心の不調との関連がありました。「ふざけたつもりの書き込みが、相手にはどう見えるか」を、ニュースや身近な例で一緒に考えます。

目安 中学生以上は特に。1回5分の雑談で

3

落ち込みが続いたら、相談先を使う

眠れない・食べない・学校の話を避けるなどが続くときは、担任やかかりつけの小児科、自治体の子育て相談窓口に相談します。子ども本人には、24時間つながる電話があることも伝えておきます。

目安 様子が気になったその日に

子どもが自分で電話できる窓口として、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」があります。電話番号は 0120-0-78310(なやみいおう)。通話料は無料で、24時間いつでもかけられます[5]。

サインの気づき方と、起きてしまったときの家庭での対応は子どものサイバーいじめに親はどう気づくかの記事に、ゲームの中で知らない人とつながる危険はオンラインゲームのチャットの記事にまとめています。嫌な書き込みへの返し方は、AIで練習するSNSで親子で試せます。

05よくある質問

小学生でもネットいじめはあるの?

あります。2024年度の調査で、小学校のいじめに占めるネットの割合は1.9%と小さいものの、小学校のいじめ認知件数は610,612件と学校種の中で最も多く、件数としてはゼロではありません。持たせ始める時期の考え方はスマホは何歳からの記事を参考にしてください。

ネットいじめは本当に増えているの?見つかりやすくなっただけ?

学校が把握した件数は2013年度の8,788件から2024年度の27,365件へ増えています。ただし、これは学校が把握した数なので、実際に増えたのか、見つけやすくなったのかは、この統計だけでは区別できません。

いじめた側の子どもにも心への影響はある?

2018年のメタ分析では、いじめた側も、していない人と比べて死にたい気持ちのオッズ比が1.23と、小さいながら関連がありました。被害を受けた側(2.15)より小さい値です。相談先は、いじめた側にとっても必要です。

子どもが話してくれない。どう聞けばいい?

思春期に親との会話が減ること自体は、よくある変化です。問い詰めるより、何も起きていないときの雑談を増やす方が話しやすくなります。思春期に会話が減ったときの記事も参考にしてください。

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出典

  1. 文部科学省 (2025). 令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要. https://www.mext.go.jp/content/20260305-mxt_jidou02-100002753_3.pdf(調査結果本体: https://www.mext.go.jp/content/20260116-mxt_jidou02-100002753_1_3.pdf)
  2. Hamm, M. P., Newton, A. S., Chisholm, A., et al. (2015). Prevalence and Effect of Cyberbullying on Children and Young People: A Scoping Review of Social Media Studies. JAMA Pediatrics, 169(8), 770-777. https://doi.org/10.1001/jamapediatrics.2015.0944
  3. John, A., Glendenning, A. C., Marchant, A., et al. (2018). Self-Harm, Suicidal Behaviours, and Cyberbullying in Children and Young People: Systematic Review. Journal of Medical Internet Research, 20(4), e129. https://doi.org/10.2196/jmir.9044
  4. Kowalski, R. M., Giumetti, G. W., Schroeder, A. N., & Lattanner, M. R. (2014). Bullying in the digital age: A critical review and meta-analysis of cyberbullying research among youth. Psychological Bulletin, 140(4), 1073-1137. https://doi.org/10.1037/a0035618
  5. 文部科学省. 「24時間子供SOSダイヤル」周知のためのポスターについて. https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1358681.htm