子どものスマホ、自分の1台は何歳から?研究でわかったリスク

まわりの子が持ち始めると気になる「自分専用のスマホ、何歳から?」という悩み。早ければ早いほど困らない、というわけではないことが、米国の大規模な追跡調査からわかってきました。
3行でわかる
- 12歳でスマホを持っていた子は、抑うつ・肥満・睡眠不足との関連が10,588人の研究で示されています(2026年)。
- 同じく12歳前後の8,957人の研究では、過食症状や体重を気にする自己評価との関連も見つかりました。
- 「何歳が正解か」を直接比べた実験はまだなく、関連が見られるだけで原因とは言い切れません。
01結論から言うと
「〇歳から持たせるのが正解」という結論はまだ出ていません。ただ12歳で持っていた子は、持っていなかった子より心身の健康に関するリスクとの関連が複数の大規模研究で示されています。
米国の思春期の子どもを数千人規模で追跡した研究が、2026年に相次いで発表されました。いずれも「早く持たせること自体が良い結果につながる」とは示していません。
反対に、持たせる年齢が早いほど、睡眠や気分、体重に関する困りごととの関連が強く出る傾向が報告されています。
02研究とデータでわかっていること
12歳でスマホを持っていた子は、抑うつ・肥満・睡眠不足・過食症状などとの関連が、米国の複数の大規模研究で報告されています。
Barzilay ら(2026)[1]
12歳でスマホを所有していた子は、抑うつ(オッズ比1.31)、肥満(1.40倍)、睡眠不足(1.62倍)との関連が見られました。取得年齢が早いほど、関連も強い傾向でした。
対象: 米国の12歳10,588人(ABCD研究) / 限界: 関連を見た研究で、スマホの所有が直接の原因かはわかりません。
Nagata ら(2026)[2]
12歳前後でスマホを所有していた子は、過食症状や、体重で自分の価値を判断してしまう傾向との関連が見られました。
対象: 米国の12歳前後8,957人(ABCD研究) / 限界: Barzilayらと同じ追跡調査のデータを使っており、まったく別の集団での確認ではありません。
Greenfield ら(2026)[3]
自分専用の携帯電話を持っている小学生は、持っていない子より読解力が低い傾向がありました。使った直後の短期的な変化では差がはっきりしませんでしたが、長い目で見ると関連が見られました。
対象: 米国の小学3年生・6年生106人 / 限界: 少人数で、米国の一部の学校のみを調べたものです。
03まだわかっていないこと
「持たせる年齢が原因で不調が起きる」とまでは言えません。多くの研究が同じ米国の追跡調査データを使っており、別の集団・日本の子どもでの確認もまだありません。
- 紹介した研究の多くは、米国の同じ大規模追跡調査(ABCD研究)のデータを使っています。独立した複数の国・集団での確認はまだ十分ではありません。
- 早く持たせる家庭ほど、使い方のルールや家庭の状況にも違いがある可能性があります。年齢だけを取り出して比べた実験はありません(社会経済的な背景の違いも報告されています[4])。
- 日本の子どもを対象にした同種の研究は、まだ見つかっていません。
04家庭で今日からできること
「何年生になったから」ではなく、必要になった場面から考え、持たせた日に使い方を一緒に決めるのが、研究から見た現実的な進め方です。
「学年」でなく「必要になった場面」で考える
習い事の行き帰りの連絡など、具体的に困っている場面があるかを先に確かめます。
目安 検討する時点で
最初は電話・GPSなど機能を絞った端末から
アプリや動画が使えない、連絡と見守りだけの端末から始めると、様子を見ながら広げられます。
目安 小学校高学年〜
持たせた日に、寝る時間と勉強中の扱いを決める
「寝る1時間前は充電コーナーに置く」など、具体的な場所と時間を一緒に決めて紙に書きます。
目安 15分
半年〜1年でルールを見直す
成長や使い方の変化に合わせて、増やす・減らすを一緒に話し合います。
目安 半年〜1年に1回
05よくある質問
スマホは何歳から持たせるのがいいの?
研究では「早いほど良い」という結果は出ていません。12歳でスマホを持っていた子は、抑うつ・肥満・睡眠不足などとの関連が複数の大規模研究で示されています。ただしこれらは関連を見た研究で、「何歳がいい」という明確な正解はまだありません。
もう持たせてしまった。今からできることはある?
遅らせられなかったことを心配しすぎる必要はありません。寝る時間は使わない、勉強中は見える場所に置くなど、使い方のルールを今から親子で決めることが助けになります。
出典
- Barzilay, R., Pimentel, S. D., Tran, K. T., Visoki, E., Pagliaccio, D., & Auerbach, R. P. (2026). Smartphone Ownership, Age of Smartphone Acquisition, and Health Outcomes in Early Adolescence. Pediatrics, 157(1). https://doi.org/10.1542/peds.2025-072941
- Nagata, J. M., Wong, J. H., Talebloo, J., Engle, K., Ganson, K. T., Testa, A., He, J., Barnhart, W. R., Baker, F. C., & Lavender, J. M. (2026). Smartphone Ownership and Eating Disorder Symptoms in Early Adolescence. JAMA Network Open, 9(9). https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2026.37897
- Greenfield, P. M., Hanna, M., Burgos-Calvillo, R., & Rhinehart, L. (2026). Children, Cell Phones, and Reading Comprehension. Behavioral Sciences, 16(8). https://doi.org/10.3390/bs16081263
- Carvalho, C. A., Ravindran, N., Howard, C., Oshri, A., & Hale, L. (2026). Sociodemographic Associations With Early Smartphone Ownership in US Adolescents. Pediatrics, 157(2). https://doi.org/10.1542/peds.2025-073891