タブレットとテレビ、自己コントロール力への影響は同じ?研究でわかっていること

同じ「画面」でも、ただ流れる動画を見るテレビと、指で触って動かすタブレットでは、子どもへの影響が違うのではと感じる親は多いはずです。研究を見ると、答えは一つにそろっておらず、年齢や使い方によって結果が違うことがわかってきました。
3行でわかる
- イギリスの子ども101人を42か月まで追跡した研究で、タブレットの使用と自分をコントロールする力(実行機能)の間に悪い関連はみられず、自分から操作する「能動的な使い方」は、切り替える力(柔軟性)とむしろ良い関連がありました。
- オーストラリアの生後12か月児を対象にした調査では、タブレットなどのタッチスクリーン機器の使用が多いほど運動・問題解決の発達スコアが低い関連がみられた一方、テレビの視聴時間には同じ関連はみられませんでした。
- 2〜5歳児を対象にした43件の研究をまとめたレビューでは、画面の利用全体では自己コントロールに悪い関連がみられましたが、動画をただ見る「受け身の視聴」の方が、親と一緒に見る場合より悪い結果と結びつきやすいこともわかりました。
01結論から言うと
タブレットとテレビで影響が同じかは、まだはっきりしていません。年齢や「受け身か、自分で操作するか」によって結果が違う可能性があります。
「タブレットの方が悪い」「テレビの方が悪い」と単純に決められるほど、研究結果はそろっていません。乳児期のタッチスクリーンへの懸念を示す研究がある一方、未就学児の能動的な使い方には良い関連を示す研究もあります。
02研究とデータでわかっていること
年齢や使い方によって結果が異なり、画面の種類そのものより「受け身か操作するか」が関係している可能性があります。
Mortimerら(2024)[1]
イギリスの子ども101人を生後10か月から42か月(3歳半)まで追跡し、タブレットの使用と実行機能(自分の考えや行動をコントロールする力)の関係を調べました。タブレット使用と実行機能の間に、悪い関連は見られませんでした。むしろ、自分から操作する「能動的な使用」は、切り替える力(柔軟性)の指標と良い関連がありました。
対象: イギリスの子ども101人(生後10〜42か月の追跡調査) / 限界: 中程度までの使用量のサンプルで、長時間使用した場合の影響は確認されていません。
Beynonら(2024)[2]
オーストラリアの生後12か月児を対象に、タブレットなどのタッチスクリーン機器の使用時間と発達の関連を調べました。タッチスクリーン機器の使用が多いほど、運動・問題解決などの発達スコアが低い関連がみられましたが、テレビの視聴時間には同じ関連はみられませんでした。親のメンタルヘルスの状態も、発達スコアと関連していました。
対象: オーストラリアの生後12か月児(横断調査) / 限界: ある一時点の調査で、どちらが原因でどちらが結果かは確認されていません。
Panayotova・Yakabova(2026)[3]
2〜5歳児を対象にした43件の研究をまとめたレビューで、画面の利用全体が多いほど、注意のコントロールや自己コントロールに悪い関連がみられました。ただし、ただ眺めるだけの受け身の視聴や、刺激の強い娯楽向けの内容は悪い結果と結びつきやすい一方、親と一緒に見る・発達に合った内容を見る場合は、悪い関連が弱いか見られませんでした。
対象: 2000年〜2025年に発表された2〜5歳児対象の研究43件 / 限界: 観察研究が中心で、因果関係を示すものではないと著者らは述べています。
03まだわかっていないこと
乳児期と未就学期で影響が違うのか、日本の子どもでも同じ傾向がみられるかは、まだはっきりしていません。
- 乳児期(1歳未満)と未就学期(3〜5歳)で、タブレットの影響の出方が本当に違うのか
- 「受け身か、自分で操作するか」の違いが、自己コントロール力にどこまで影響するか
- 日本の子ども・日本語のアプリやテレビ番組でも、同じ傾向がみられるか
04家庭で今日からできること
画面の種類そのものより、「受け身にならない使い方」と「親と一緒に見る時間」を意識してみましょう。
1歳未満はタッチスクリーンより親子での視聴を優先する
乳児期はタブレットを一人で触らせるより、テレビや動画を親子で一緒に見る時間にします。
目安 1歳未満・親子で
未就学児は「自分で操作する」使い方を選ぶ
ただ動画が流れ続けるアプリより、タップして進める絵本アプリなど、自分の手で操作する内容を選びます。
目安 2〜5歳・毎回
流しっぱなしにせず、終わりの時間を決める
テレビもタブレットも、つけっぱなし・受け身で見続ける時間を減らし、終わりの時間をあらかじめ決めておきます。
目安 年齢問わず・毎回
05よくある質問
タブレットとテレビ、どちらが子どもに悪い影響がありますか?
研究によって結果が分かれています。0〜1歳児の調査ではタブレットの方が発達スコアとの関連がみられましたが、別の研究では自分で操作するタブレットの使い方はむしろ良い関連もみられました。どちらが一方的に悪いとは言い切れません。
自分で操作するタブレットの使い方は、見ているだけのテレビより良いのですか?
未就学児を対象にしたイギリスの研究では、自分から操作する能動的なタブレットの使い方が、切り替える力(柔軟性)と良い関連がありました。ただし乳児期では逆の報告もあり、年齢によって違う可能性があります。
出典
- Mortimer, M., et al. (2024). Concurrent and longitudinal associations between touchscreen use and executive functions at preschool-age. Frontiers in Developmental Psychology, 2. https://doi.org/10.3389/fdpys.2024.1422635
- Beynon, C., et al. (2024). Influence of maternal and infant technology use and other family factors on infant development. BMC Pediatrics, 24(1). https://doi.org/10.1186/s12887-024-05165-4
- Panayotova, V., & Yakabova, E. (2026). Associations Between Early Screen Exposure and Neurocognitive Outcomes in Children Aged 2-5 Years: A Systematic Review. Healthcare, 14(18). https://doi.org/10.3390/healthcare14183081