考える力・学び

発達が気になる子に、タブレットは学びの助けになる?研究でわかっていること

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わかっている度 ★★☆ 中くらい研究3本を整理
Robyn Budlender 2016-07-20
Photo: Robyn Budlender robzy_m / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・教材の紹介はしていません。出典は末尾)。

スクリーンタイムを減らしたほうがいいと聞く一方で、発達が気になるわが子にはタブレットの学習アプリが役立っている気がする。そんな矛盾を感じる親は少なくありません。研究をまとめると、言葉の理解など一部の力には良い効果が報告されている一方、どの子にも、どのアプリにも同じように効くわけではない、というのが今の段階での答えです。

3行でわかる

  1. 自閉スペクトラム症のある子ども622人を対象にした12件の臨床試験をまとめたレビューでは、タブレット・コンピューターを使ったアプリで、言葉の理解や感情の理解に良い効果が報告されました。
  2. 一方で、人との関わり方そのものの改善については、効果がみられなかった試験も複数あり、結果は一致していません。
  3. さまざまな発達の特性がある子ども向けの学習プログラム21種類をまとめたレビューでは、ADHDのある子どものワーキングメモリなどに一部改善がみられた一方、自閉スペクトラム症向けのプログラムでは、効果が確認できなかった例も報告されています。

01結論から言うと

タブレット学習は言葉の理解など一部の力に良い効果が報告されていますが、どの子・どのアプリにも同じように効くとは、まだ言い切れません。

発達が気になる子どもへのタブレット・アプリの効果は、研究によって結果が分かれています。良い効果が報告される領域と、まだ効果がはっきりしない領域があることを知っておくと、過度な期待も、過度な心配もせずに付き合いやすくなります。

02研究とデータでわかっていること

言葉の理解や感情の理解では良い効果が報告されていますが、対人関係そのものの改善は研究によって結果が分かれています。

622人自閉スペクトラム症の子ども・若者を対象にした12件の臨床試験の参加者数(2026年発表)
21種類発達の特性がある子ども向けコンピューター学習プログラムをまとめたレビューの対象数(2026年発表)

Hamidら(2026)[1]

自閉スペクトラム症の子ども・若者622人を対象にした12件のランダム化比較試験をまとめました。タブレット・コンピューターを使ったアプリや動画教材、ウェアラブル機器など様々な方法が調べられ、人との関わり方そのもの(中核的な社会的コミュニケーション)への効果は結果が分かれた一方、言葉の理解や感情の理解、思春期の子どもの面接練習などの力には、一貫して良い効果が報告されました。

対象: 自閉スペクトラム症の子ども・若者622人(12件のランダム化比較試験) / 限界: 親の評価による測定が多く、デジタル介入を対面の療育と直接比べた研究は少ないとされています。

Maggioら(2026)[2]

ADHD・自閉スペクトラム症・知的発達症などの子どもを対象にした、コンピューターを使った認知トレーニング21種類・22件の研究をまとめました。もっとも一貫した効果がみられたのはADHDで、ワーキングメモリや一部の実行機能の改善が報告されたプログラムがありました。一方、見つかった自閉スペクトラム症向けの研究は1件のみで、見せかけのトレーニング(効果のない対照群)と比べて優れた結果は出ませんでした。

対象: 発達障害のある子ども(22件の研究・21種類のプログラム) / 限界: 診断名やプログラムの種類、比較方法がばらばらで、効果があると広く言い切れる段階ではないと著者らは述べています。

Muthukaら(2026)[3]

自閉スペクトラム症の子ども・若者3,008人を対象にした41件の研究をまとめたメタ分析で、介入の種類ごとの効果を比べたところ、デジタル・テクノロジーを使った介入の効果(推定67%)が、理学療法・作業療法などの効果(推定52%)より高いという結果が出ました。

対象: 自閉スペクトラム症の子ども・若者3,008人(41件の研究のメタ分析) / 限界: 研究間のばらつきが大きく(異質性が高い)、デジタル介入の研究は41件中3件のみで、開始年齢など複数の要因が効果の大きさに影響していました。

03まだわかっていないこと

どんな子に、どんなアプリが、どのくらいの時間向いているかは、まだ研究が追いついていません。

  • 診断や特性の種類によって、効果があるアプリの種類がどう違うか
  • 対面での療育・支援とタブレット学習を、どう組み合わせるのが効果的か
  • 日本語環境のアプリ・教材で同じ効果が得られるか

04家庭で今日からできること

効果が出やすい「言葉・理解」の場面から試し、様子を見ながら使い方を調整していきましょう。

1

「言葉」「気持ち」の理解アプリから試す

研究で良い効果が報告されやすいのは言葉の理解や感情の理解の分野です。まずはこうした内容から試してみます。

目安 年齢問わず・1〜2週間試す

2

「効果があったか」を親が記録してみる

研究でも効果にばらつきがある以上、わが子に合うかは使ってみないとわかりません。簡単なメモで変化を振り返ります。

目安 2〜4週間に1回

3

タブレットだけに頼らず、人との関わりの時間も確保する

人との関わり方の力は、タブレットだけでの改善が難しいとされる分野です。会話や遊びの時間も意識して作ります。

目安 年齢問わず・毎日

発達や学び方で気になることがあるときは、かかりつけの小児科や、お住まいの自治体の子育て相談窓口にも相談できます。

05よくある質問

発達が気になる子に、タブレット学習は効果がありますか?

研究のまとめでは、言葉の理解や感情の理解では良い効果が報告されている一方、人との関わり方そのものを改善するかは結果が分かれています。どの子にも同じ効果があるとは言い切れません。

ADHDの子には、タブレットの学習アプリは向いていますか?

さまざまな機器を調べたレビューでは、ADHDのある子どもでワーキングメモリなどに一部改善がみられるプログラムが報告されていますが、どの機器にも効果があるとまでは言えず、研究はまだ少ない段階です。

出典

  1. Hamid, A., et al. (2026). Effectiveness of Digital Health Technologies in the Management of Autism Spectrum Disorder in Children and Adolescents: A Systematic Review. Cureus, 18(1). https://doi.org/10.7759/cureus.102030
  2. Maggio, M. G., et al. (2026). Computer-assisted Cognitive Training in Children with Developmental Disorders: A Scoping Review of Available Tools, Clinical Targets, and Evidence Gaps. Frontiers in Pediatrics, 14. https://doi.org/10.3389/fped.2026.1764054
  3. Muthuka, J., et al. (2026). Effectiveness and Types of Interventions for Autism Spectrum Disorder: A Systematic Review, Meta-Analysis, and Meta-Regression. Cureus, 18(6). https://doi.org/10.7759/cureus.111009