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子どものゲームがやめられない。「ゲーム障害」について研究でわかっていること

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針1件を整理
The Super Game Boy 2 for the Super Famicom video game console.  Developed and released by Nintendo as a way to play Game Boy games on your t
Photo: Evan-Amos / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・教材の紹介はしていません。出典は末尾)。

「もうやめなさい」と言ってもゲームをやめられない我が子を見て、これは「ゲーム障害」ではないかと不安になる親は少なくありません。ただ、ゲームをなかなかやめたがらないことと、医学的な「ゲーム障害」は同じではありません。WHOの基準や研究からわかるのは、障害と呼べるのはごく一部のケースで、家庭で簡単に判定できるものではないということです。

3行でわかる

  1. WHOは2019年、ゲームのし過ぎで生活に深刻な支障が出る状態を「ゲーム障害」として国際的な病気の分類(ICD-11)に加えました(2022年発効)。
  2. 子ども・思春期を対象にした複数のメタ分析では、ゲーム障害に該当する割合はおおむね5〜10%前後とされますが、研究ごとのばらつきは大きいです。
  3. プレイ時間の長さだけでは障害と判断されません。生活への深刻な支障が12か月以上続くことが、研究でも公的な基準でも目安とされています。

01結論から言うと

ゲームを「やめられない」子どもの多くは障害ではありません。WHOの基準でゲーム障害と呼べるのは、生活への大きな支障が長く続く、ごく一部のケースです。

ゲームに夢中になる、なかなかやめない、というのは多くの子どもに見られる行動です。WHO(世界保健機関)は2018年に公表したICD-11(国際的な病気の分類の第11版)で、ゲームのし過ぎによって生活に深刻な支障が出る状態を「ゲーム障害(Gaming disorder)」として新たに位置づけました。ICD-11は2019年の世界保健総会で正式に採択され、2022年1月に発効しています[1]。

WHOが示す基準は主に3つです。ゲームの時間や頻度を自分でコントロールできないこと、ゲームが生活の中で他のことより優先されること、そして悪い影響が出てもゲームを続けたり増やしたりすることです。これらが通常12か月以上続き、学校や家庭、友人関係などに大きな支障が出ている場合に、ゲーム障害が検討されます[1]。

大切なのは、この基準は医療機関が時間をかけて評価するためのものであり、親が家庭で我が子に当てはめて診断するためのものではないという点です。長い時間ゲームをする子どもの大多数は、この基準には当てはまりません。

02研究とデータでわかっていること

複数のメタ分析から、子ども・思春期のうちゲーム障害に該当する割合はおおむね5〜10%前後とされ、男の子は女の子より高い傾向が繰り返し確認されています。

10%子ども・思春期(19件の研究・25万1,037人を統合、2026年)
6〜15%上記メタ分析の95%信頼区間(研究間のばらつきが非常に大きい)
男6.8%・女1.3%思春期の子ども、16件の研究を統合(2018年)
12%→6%東アジアの思春期・若者、代表性の高い調査に絞ると半減(2022年)

Barbozaら(2026)[2]

世界12か国・19件の研究、合わせて25万人以上の子ども・思春期のデータを統合すると、ゲーム障害に該当する割合は10%でした。ただし研究間の結果のばらつきは非常に大きいものでした。

対象: 12か国・19件の研究、子ども・思春期(平均年齢10.2〜16.9歳)計25万1,037人 / 限界: 研究間のばらつきが極めて大きく(異質性指標I²=99.7%)、多くが一時点の調査のため因果関係はわかりません。

Fam(2018)[3]

1990年代から2017年までに発表された16件の研究をまとめると、思春期の子どものゲーム障害の割合は平均4.6%でした。男の子は6.8%、女の子は1.3%と、男女差がはっきり見られました。

対象: 16件の研究、思春期の子ども(国・地域は複数) / 限界: 研究ごとに使う基準や調査方法が異なり、時代や地域によって数値の差が大きいことが指摘されています。

Liaoら(2022)[4]

中国・韓国・台湾・香港・日本など東アジアの26件の研究(計5万1,525人)を統合すると、割合は12%でした。より代表性の高いサンプルの研究に絞ると6%まで下がりました。

対象: 東アジア5地域・26件の研究・計5万1,525人(主に思春期・若者)、日本からの研究は1件 / 限界: 使う質問票や基準が研究ごとに異なり、調査方法で結果が大きく変わります。

このように、どのメタ分析を見ても「ゲーム障害は一部の子どもに見られるもの」という結論は一致していますが、具体的な割合は使う質問票や対象の国・地域によって数倍の差が出ます。単一の数字をそのまま我が子に当てはめることはできません。

03まだわかっていないこと

ゲームのし過ぎが生活の支障の「原因」なのか、もともと困りごとを抱えた子どもがゲームに向かいやすいのか、因果関係はまだはっきりしていません。

  • 原因と結果の向き: 生活への支障がゲームのし過ぎで起きるのか、学校や友人関係の悩みがある子どもがゲームに向かいやすいのか、どちらが先かを確かめた長期的な研究はまだ少ない。
  • 大人になってからの経過: 子どものころにゲーム障害とされた状態が、成長とともにどう変化するのかという長期的な追跡研究はまだ十分ではない。
  • 測定方法のばらつき: 研究によって使う質問票や基準が違うため、同じ年齢層でも割合の推定値が数倍違うことがある(研究間のばらつきを示す指標が極めて高いと報告されている)。
  • 日本の子どもに特化した大規模調査: 東アジアを対象にした分析に含まれる日本発の研究は1件のみで、ICD-11の基準を使った日本の子ども向けの大規模な実態調査はまだ少ない。

04家庭で今日からできること

プレイ時間の長さだけを気にするより、生活のリズムが保てているか、学校や友人関係に支障が出ていないかに目を向けることが大切です。

1

「時間」より「生活への影響」に目を向ける

何時間遊んでいるかより、睡眠不足で朝起きられない、学校を休みがちになる、食事や入浴を後回しにするなど、生活リズムが崩れていないかを見てみましょう。

目安 全年齢

2

生活の土台になる時間は崩さない

起床・食事・入浴・就寝など、生活の基本になる時間を、ゲームより先に確保しておくと、優先順位が崩れにくくなります。

目安 小学生〜中学生

3

ゲームの話を日常の会話にしておく

頭ごなしに取り上げるのではなく、「今どんなゲームをしているの」と普段から聞いておくと、困りごとが出たときにも話しやすくなります。

目安 全年齢・1日5分

4

心配が続くときは一人で抱えず相談する

生活への支障が長く続き、家庭だけでは対応が難しいと感じたら、かかりつけの小児科や、お住まいの自治体の子育て相談窓口に相談できます。

目安 気になったとき

05よくある質問

うちの子はゲーム障害なの?

この記事だけで判断することはできません。ゲーム障害かどうかは、生活への支障が長く続いているかなどを医療機関が時間をかけて確認して判断するものです。心配なときは、かかりつけの小児科や自治体の子育て相談窓口に相談してみましょう。

ゲームをする時間が長いだけでゲーム障害と言えますか?

いいえ。研究でも公的な基準でも、プレイ時間の長さだけでは判断されません。生活への深刻な支障が12か月以上続いているかどうかが目安とされ、長時間遊んでいても生活に支障がなければ区別されます。

ゲーム障害になりやすい年齢はありますか?

これまでの研究の多くは思春期の子どもが対象で、年齢ごとのはっきりした基準はまだありません。年齢にかかわらず、生活への影響が見られたら専門家に相談することが勧められます。

出典

  1. World Health Organization (2018-2019). Inclusion of "gaming disorder" in ICD-11 / ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics, 6C51 Gaming disorder. https://www.who.int/news/item/14-09-2018-inclusion-of-gaming-disorder-in-icd-11
  2. Barboza, J. J., Bonilla Asalde, C., Rivera-Lozada, O., Iuga, M. M., Valdivia, B. R., Hernández-Juárez, G., Canelo, C. A., Molina Campuzano, R. A., Aguilar-Bueno, J. C., Aguirre-Ipenza, R., & Kong-Lozano, L. A. (2026). Global prevalence of internet gaming disorder in children and adolescents: a systematic review and meta-analysis. Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health. https://doi.org/10.1186/s13034-026-01083-8
  3. Fam, J. Y. (2018). Prevalence of internet gaming disorder in adolescents: A meta-analysis across three decades. Scandinavian Journal of Psychology, 59(5), 524-531. https://doi.org/10.1111/sjop.12459
  4. Liao, Z., Chen, X., Huang, Q., & Shen, H. (2022). Prevalence of gaming disorder in East Asia: A comprehensive meta-analysis. Journal of Behavioral Addictions, 11(3), 727-738. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00050