考える力・学び

プログラミング教育は将来の役に立つ?研究でわかっていること

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わかっている度 ★★☆ 中研究4本を整理
Ryan Riggins 2017-02-24
Photo: Ryan Riggins ryan_riggins / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・教材の紹介はしていません。出典は末尾)。

小学校でプログラミングが必修になり、プログラミングスクールの広告も目にする機会が増えました。「うちの子にも必要?」「本当に将来役に立つの?」と気になる親は多いはずです。研究はどこまで答えを出しているのでしょうか。

3行でわかる

  1. プログラミングを学ぶと、プログラミング自体の力や、創造的思考・数学的なスキルなど一部の思考力が伸びることが研究で確認されています。
  2. 一方で、学校の成績や読み書きの力への効果は、他の力への効果より小さいこともわかっています。
  3. 「将来の仕事に役立つか」まで長期間追跡した研究はまだなく、学び方(作って試す経験があるか)によって効果の大きさが変わります。

01結論から言うと

プログラミングを学ぶと、プログラミング自体の力や一部の思考力は伸びますが、学校の成績や将来役立つかの直接的な証拠はまだ限られています。

プログラミングでは、順序を考えたり、うまくいかない原因を探して直したりする作業を繰り返します。この考え方(コンピュテーショナル・シンキング)が、創造的思考や数学的なスキルなど、他の場面でも使える力につながる可能性があると研究で示されています。

ただし、どんな学び方でも同じように効果が出るわけではなく、「将来役に立つ」と言えるだけの長期的な証拠はまだありません。次の章で詳しく見ていきます。

02研究とデータでわかっていること

メタ分析や実験では、プログラミング学習でプログラミング自体の力に加え、一部の思考力が伸びる傾向が確認されています。

105件プログラミング教育の効果を調べた研究をまとめたメタ分析の対象(2019年)
200人Scratch・Pythonを24週間学んだ小学生の実験人数・8〜12歳(2026年)

Scherer, Siddiq, Sánchez Viveros(2019)[1]

プログラミングを学んだ子ども・学生は、プログラミング自体の力(効果量0.75)に加えて、創造的思考・数学的スキル・推論力など一部の思考力(効果量0.47)も伸びていました。学校の成績や読み書きの力への効果は、他の力への効果より小さいものでした。

対象: 105件の研究・539個の効果をまとめたメタ分析 / 限界: 効果の大きさは研究デザイン(ランダム化の有無など)によって変わり、将来の仕事の成果までは追跡していません。

Wang, Wan, Dai(2026)[2]

Scratch・Pythonを24週間学んだ小学生(8〜12歳)は、問題解決の点数が17.8点から23.5点、コンピュテーショナル・シンキングの点数が20.4点から30.6点に上がり、どちらも大きな効果が見られました。学ばなかった子どもには、はっきりした変化はありませんでした。

対象: 小学生200人(実験群100人・対照群100人) / 限界: 1つの研究・短期間の結果で、他の学校や長期間でも同じ効果が続くかはわかりません。

Zhang, Wu, Ning, Shi(2025)[3]

コンピュテーショナル・シンキングに関する33件のレビュー・メタ分析をまとめた研究では、プロジェクト型学習やテキストベースのプログラミング、ゲームを使った学習で、特にはっきりした効果が見られました。

対象: 15件のメタ分析・18件のシステマティックレビューをまとめたアンブレラレビュー / 限界: 元になった研究の質はまちまちで(メタ分析の質は16点満点中平均10.9点)、すべてが高品質とは言えません。

03まだわかっていないこと

プログラミングで伸びた力が、学校の成績や将来の仕事の成果にまでつながるかどうかは、まだはっきりした証拠がありません。

  • Scherer, Siddiq, Sánchez Viveros(2019)のメタ分析でも、学校の成績や読み書きの力への効果は、他の思考力への効果より小さく、はっきりした「学力向上」の証拠とは言えません。
  • 子どもがプログラミングを学んだ効果を何年も追跡して、将来の仕事や収入とのつながりを調べた研究はまだありません。研究者自身も「転移効果についての実証的な証拠がまだ足りない」と指摘しています(Scherer, 2016)[4]。
  • 効果の大きさは、使う教材や指導方法(自分で作って試す経験があるか、ただ操作を覚えるだけかなど)によって大きく変わるため、「プログラミングを学べば必ず力が伸びる」とは言えません。

04家庭で今日からできること

プログラミングを学ぶなら、自分で作って試せる学び方を選び、他の学びとのバランスも大切にしましょう。

1

「作る・試す」機会があるものを選ぶ

ただ操作を覚えるだけでなく、自分でプログラムを作って試行錯誤できる教材・授業の方が、研究で効果が確認されている学び方に近づきます。

目安 小学生以上

2

プログラミング以外の活動とバランスを取る

プログラミングだけに時間を使うのではなく、他の遊びや学びの時間も確保しましょう。学校の成績を直接大きく上げるという証拠はまだ限られています。

目安 日々の時間配分

3

「何が楽しかった?」を聞いてみる

子ども自身が楽しんで試行錯誤できているかを聞くことで、効果が出やすい学び方になっているかを確認できます。

目安 週1回

05よくある質問

プログラミング教育は本当に将来役に立ちますか?

研究では、プログラミング自体の力や、創造的思考・数学的なスキルなど一部の思考力が伸びることは確認されています。ただし学校の成績や将来の仕事にまでつながるという直接的な証拠は、まだ十分ではありません。

何歳からプログラミングを学ばせるといいですか?

研究の多くは小学生(7歳前後〜)を対象にしたもので、何歳が最適かについてはまだ十分な研究がありません。年齢よりも、お子さんが楽しんで試行錯誤できているかを優先するとよいでしょう。

出典

  1. Scherer, R., Siddiq, F., & Sánchez Viveros, B. (2019). The cognitive benefits of learning computer programming: A meta-analysis of transfer effects. Journal of Educational Psychology, 111(5), 764–792. https://doi.org/10.1037/edu0000314
  2. Wang, X., Wan, F., & Dai, J. (2026). Enhancing computational thinking through coding education in primary school students: an experimental study on the impact of early programming exposure on problem-solving skills. Frontiers in Psychology. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1734482
  3. Zhang, J., Wu, Y., Ning, Y., & Shi, Y. (2025). From Evidence to Insight: An Umbrella Review of Computational Thinking Research Syntheses. Journal of Intelligence. https://doi.org/10.3390/jintelligence13120157
  4. Scherer, R. (2016). Learning from the Past—The Need for Empirical Evidence on the Transfer Effects of Computer Programming Skills. Frontiers in Psychology, 7. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2016.01390