考える力・学び

中学生が勉強中に音楽を聴いている。歌詞のある曲ほど読む勉強のじゃまになりやすい

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わかっている度 ★★☆ 中研究4本・公的指針0件を整理出典照合済み(2026-10-11)
赤いイヤホン
Photo: Berthold Werner / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・教材の紹介はしていません。出典は末尾)。

イヤホンをしたまま机に向かうわが子を見て、「それで本当に頭に入るの?」と思ったことはありませんか。子どもは「音楽があった方が集中できる」と言います。研究をたどると、影響は小さいものの、曲の選び方と勉強の中身で差が出ることがわかってきました。

3行でわかる

  1. 65本の研究をまとめた分析では、音楽を流しながら読むと、無音より読解の成績がわずかに下がった。
  2. 歌詞のある曲は、歌詞のない曲より読解を妨げやすかった。人の話し声と同じくらいの影響だった。
  3. 子どもと大人で影響の大きさに差は見られなかった。文章を読む勉強は無音か歌詞なしの曲がおすすめ。

01 結論から言うと勉強中の音楽は集中のじゃまになる?

文章を読む勉強では、音楽は読解をわずかに下げる傾向があります。特に歌詞のある曲は影響が大きめです。ただし影響は「小さい」範囲で、音楽を聴く子の成績が大きく落ちるという話ではありません。

文章を読むとき、頭の中では言葉の意味を追っています。そこに歌詞が入ってくると、耳から入る言葉と目で読む言葉がぶつかりやすいと考えられています。

一方で、歌詞のない曲の影響は小さめでした。「音楽は全部だめ」ではなく、どんな曲を、どんな勉強のときに聴くかで考えるのが現実的です。

02 研究とデータでわかっていること歌詞のある曲は、どのくらい読む力を下げる?

2018年のメタ分析(複数の研究をまとめた分析)では、音楽は読解をわずかに下げ、歌詞のある曲は歌詞のない曲より妨げが大きいとわかりました。子どもと大人で差は見られていません。

65本読書中の雑音・話し声・音楽の影響を調べた研究をまとめた数(子どもと大人、2018年)
36本そのうち、音楽と読解の関係を調べた研究。音楽は読解をわずかに下げた
95%歌詞のある曲の方が歌詞のない曲より読解を妨げる確率(同じ分析の推定)
13本音楽の影響を子どもで調べた研究。大人の研究(23本)と影響の大きさに差はなかった

Vasilev, Kirkby, Angele(2018)[1]

雑音・話し声・音楽はどれも、読解を小さいながら確かに下げていました。影響がいちばん大きかったのは、意味のわかる話し声と歌詞のある曲で、この2つの差はほとんどありませんでした。

対象: 65本の研究(子どもと大人)を統合したメタ分析 / 限界: 年齢ごとの比較は研究どうしを並べた分析で、子どもと大人を同じ実験で直接比べたものではない。読む速さへの影響ははっきりしなかった。

Sun ら(2024)[2]

歌詞のあるポップスを聴きながら読むと、無音より読解の正答率が下がりました。読む文章と同じ言語の歌詞のとき、下がり方が大きくなりました。ふだん音楽を聴きながら読む学生は、聴かない学生より影響が小さめでした。

対象: 中国の大学生90人(18〜21歳) / 限界: 大人が対象で、中学生にそのまま当てはまるとは限らない。英語の力や記憶力は測っていない。

Lehmann, Seufert(2017)[3]

ポップス2曲を流しながら文章で学んでも、内容を思い出す成績には差がありませんでした。理解を問うテストでは、ワーキングメモリ(頭の中で情報を一時的に覚えておく力)が大きい人ほど、音楽があっても学べていました。

対象: 大学生81人 / 限界: 大人が対象で、流した曲は2曲だけ。

Madjar ら(2020)[4]

10歳前後の子どもで、ADHDのある子は音楽を流すと読解の成績が上がりました。一方、定型発達の子では下がりました。同じ音楽でも、子どもによって逆の結果になりうることを示しています。

対象: ADHDのある子25人と定型発達の子25人(平均10歳) / 限界: 人数が少ない1本の研究で、結果の確認はこれから。

03 まだわかっていないこと音楽で集中できる子もいるのはなぜ?

音楽の影響が子どもの特性や習慣でどう変わるかは、まだ結論が出ていません。中学生を対象にした新しい研究や、読む以外の勉強を調べた研究も少ない状態です。

  • ふだん音楽を聴く子は影響が小さいのか。大学生では差がありましたが、昔の研究では結果が分かれています。
  • 計算・暗記・単語練習など、読む以外の勉強への影響。研究の多くは「文章を読む課題」です。
  • 好きな曲と好きでない曲で違いがあるか。研究によって結果が分かれています。
  • 音楽で落ち着く子と、気が散る子の違いは何か。ADHDの研究は小規模で、まだ確かめられていません。

集中しにくさや落ち着きのなさが気になる場合は、かかりつけの小児科や自治体の子育て相談窓口で相談できます。

04 家庭で今日からできること音楽を聴きながら勉強する子に、どう声をかける?

禁止するより、勉強の中身で曲を使い分けるルールを子どもと一緒に決めるのが現実的です。読む・書く勉強は無音か歌詞なしの曲にし、効果は本人と一緒に確かめます。

1

読む・書く勉強のときは、無音か歌詞なしの曲にする

教科書の読み取り、国語の読解、作文、英語の長文は、歌詞の影響を受けやすい勉強です。この時間だけは歌詞なしにする、と範囲を決めます。

目安 小学校高学年〜高校生/1回の勉強ごと

2

「音楽あり」と「なし」で、同じ量の問題を解き比べてみる

同じ教科の読解問題を、音楽ありとなしで1回ずつ解き、正答数を並べます。親が決めつけず、本人が自分の結果で判断できるようにします。

目安 10〜15分×2回

3

曲は勉強の前に決めておく

勉強中に曲を探し始めると、スマホを触る時間が増えます。聴く曲は始める前にまとめて決め、途中で選び直さない約束にします。スマホを見ながらの勉強については「ながら勉強」の記事も参考にしてください。

目安 勉強前の2〜3分

4

ルールは親が決めず、子どもと話し合って決める

「音楽はだめ」と一方的に言うより、上の結果を見せて「読む勉強だけは歌詞なしにしない?」と提案します。ルールの決め方はスマホルールの作り方の記事にまとめています。

目安 中学生以上/話し合い10分

05よくある質問

子どもが「音楽があった方が集中できる」と言います。本当?

本人の感覚が間違いとは限りません。大学生の研究では、ふだん音楽を聴きながら読む学生は、聴かない学生より影響が小さめでした。ただしこの研究でも、母語の歌詞の曲を聴いたときの正答率は、聴く習慣のある学生でもいちばん低くなっていました。気分は上がっても、読む力が少し落ちている可能性はあります。

歌詞のない曲やカフェの雑音なら大丈夫?

歌詞のない曲は、歌詞のある曲より影響が小さい傾向でした。ただ65本の研究をまとめた分析では、雑音でも読解が少し下がる傾向が見られています。どの研究でも、比べる基準は無音でした。歌詞なしの曲は、無音がつらいときの次の選択肢と考えるとよいでしょう。

暗記や計算ドリルのときも同じ?

まだはっきりしません。研究の多くは「文章を読む課題」を調べています。大学生の研究では、音楽を聴きながら学んでも、内容を思い出す成績には差がありませんでした。計算や暗記への影響を子どもで調べた研究は少なく、結論は出ていません。

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出典

  1. Vasilev, M. R., Kirkby, J. A., & Angele, B. (2018). Auditory Distraction During Reading: A Bayesian Meta-Analysis of a Continuing Controversy. Perspectives on Psychological Science, 13(5), 567–597. https://doi.org/10.1177/1745691617747398
  2. Sun, Y., Sun, C., Li, C., Shao, X., Liu, Q., & Liu, H. (2024). Impact of background music on reading comprehension: influence of lyrics language and study habits. Frontiers in Psychology, 15, 1363562. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1363562
  3. Lehmann, J. A. M., & Seufert, T. (2017). The Influence of Background Music on Learning in the Light of Different Theoretical Perspectives and the Role of Working Memory Capacity. Frontiers in Psychology, 8, 1902. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2017.01902
  4. Madjar, N., Gazoli, R., Manor, I., & Shoval, G. (2020). Contrasting effects of music on reading comprehension in preadolescents with and without ADHD. Psychiatry Research. https://doi.org/10.1016/j.psychres.2020.113207