心と親子関係

下の子ばかり構ってしまう。きょうだいへの接し方の違いは子どもの心に影響する?研究でわかっていること

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わかっている度 ★★☆ 中メタ分析1件・研究2本を整理
Title Children Playing Soccer
Description Two male children in soccer uniforms dribbling the ball across a field.
Topics/Categories  Locatio
Photo: Bill Branson (Photographer) / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・教材の紹介はしていません。出典は末尾)。

きょうだいがいると、どうしても接し方に差が出てしまう。下の子ばかり構って上の子に我慢させている、叱り方が違う気がする——そんな罪悪感を抱く親は少なくありません。実は、きょうだいへの接し方の差そのものより、子ども自身がその差をどう感じているかが心に影響するとする研究が増えています。

3行でわかる

  1. 親からの接し方の差は、26,451人分のデータを集めたメタ分析で子どもの問題行動との関連が確認されています。
  2. 差の大きさだけでなく、子ども自身が「不公平だ」とどれだけ強く感じるかが影響すると分かっています。
  3. 下の子が「自分の方が優遇されている」と感じるときに、親子関係がよくなる傾向も確認されています。

01結論から言うと

きょうだいへの接し方に多少の差があること自体より、子どもが「不公平だ」と強く感じ続けるかどうかが、心への影響を左右します。

年齢や性格が違うきょうだいに、まったく同じ接し方をするのは現実的ではありません。研究でも、差があること自体を問題視するのではなく、差の大きさや、子どもがその差をどう受け止めているかに注目しています。

特に、親と子どもの「差の感じ方」にズレが大きいほど、その後の親子関係に影響しやすいことが分かってきています。

02研究とデータでわかっていること

接し方の差が大きいきょうだいほど、不安や反抗などの問題と関連する一方、下の子が優遇を感じるときは親子関係が良くなる傾向もあります。

26,451人きょうだいへの接し方の差を調べた43サンプルの参加者数(3〜19歳、2024年)
556組母子の偏愛の感じ方を調べた中国の家族調査の対象数(平均12.52歳、2020年)

Jensen・Thomsen(2024、複数国のデータを統合)[1]

43件の調査・26,451人分のデータを統合したメタ分析で、きょうだいへの接し方の差(相対的な差・絶対的な差のどちらも)が大きいほど、不安や落ち込みなどの内在化の問題、反抗や問題行動などの外在化の問題の両方と関連していました。

対象: 3.18〜18.99歳(平均12.64歳)の子ども26,451人、88件の報告・43サンプル/限界: 相関関係であり、接し方の差が原因と断定はできません。子ども自身の報告の方が関連が強く出る傾向もありました。

Jensen・McHale(2017、米国)[2]

381家族を3年間追跡した調査では、下の子が「自分の方が叱られることが少ない」と感じたとき、その後の母親との温かい関係が強まる傾向が見られました。一方、上の子ではこうした効果ははっきり見られませんでした。

対象: 米国の381家族(白人中心、中流〜労働者層)、長子平均15.71歳・次子平均13.18歳/限界: きょうだい2人の家庭に限定されており、人種や家族構成の多様性は低い調査です。

Luoら(2020、中国)[3]

中国の家族を対象にした調査では、子どもは親自身が思うより強く「えこひいきされている」と感じる傾向があり、親子ともに同じ方向のひいきを強く認識している場合に、子どもの内在化・外在化の問題が最も多く見られました。

対象: 中国の母子556組・父子554組、平均12.52歳/限界: 横断調査であり、因果関係は確認していません。

03まだわかっていないこと

接し方の差がどこまでなら問題にならないかの基準や、日本の家庭での傾向は、まだ十分に分かっていません。

  • 接し方の差が「どの程度までなら問題にならないか」の明確な基準は、研究ではまだ示されていません。
  • 日本の家庭を対象にした研究はまだ少なく、文化的な違いまでは分かっていません。
  • きょうだいが3人以上いる家庭でのパターンは、研究の多くが2人きょうだいを対象にしているため、十分に分かっていません。

04家庭で今日からできること

完璧に均等にしようとするより、違いの理由を伝え、1対1の時間を作り、不公平感を受け止めることが研究で支持されています。

1

違いがあることを隠さず、理由を伝える

「お兄ちゃんは中学生だから門限が遅いんだよ」のように、年齢や状況による対応の違いを言葉で説明する。

目安 全年齢

2

短時間でも1対1の時間を作る

下の子の世話で手一杯なときほど、上の子と2人だけで過ごす5〜10分を意識的に作る。

目安 未就学児〜小学生

3

「ずるい」という訴えを否定せずに受け止める

「そんなことない」と即座に否定せず、「そう感じたんだね」と一度気持ちを受け止めてから説明する。

目安 全年齢

05よくある質問

きょうだいへの接し方に差があるのは普通ですか?

ある程度は自然なことです。年齢や性格が違えば対応が変わるのは当然で、問題は差そのものより、子どもが「不公平だ」と強く感じ続けるかどうかだと研究では考えられています。

下の子ばかり構ってしまうことに罪悪感があります。どうすればいいですか?

完璧に均等にする必要はありません。短時間でも上の子と1対1で過ごす時間を作ったり、違いの理由を言葉で伝えたりすることが、研究で支持されている関わり方です。

「お兄ちゃん・お姉ちゃんばかりずるい」と言われたらどうすればいいですか?

気持ちをまず受け止めてから、年齢や状況による違いを説明するとよいとされています。訴えを頭ごなしに否定しないことが大切です。

出典

  1. Jensen, A. C., & Thomsen, A. E. (2024). Parental differential treatment of siblings linked with internalizing and externalizing behavior: A meta-analysis. Child Development, 95(4), 1384-1405. https://doi.org/10.1111/cdev.14091
  2. Jensen, A. C., & McHale, S. M. (2017). Mothers', fathers', and siblings' perceptions of parents' differential treatment of siblings: Links with family relationship qualities. Journal of Adolescence, 60, 119-129. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5685545
  3. Luo, R., Chen, F., Yuan, C., Ma, X., & Zhang, C. (2020). Parent-Child Discrepancies in Perceived Parental Favoritism: Associations with Children's Internalizing and Externalizing Problems in Chinese Families. Journal of Youth and Adolescence, 49(1), 60-73. https://doi.org/10.1007/s10964-019-01148-2