心と親子関係

子どもが嘘をつくようになった。何歳からどんな嘘?研究でわかっていること

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本を整理
children playing toy
Photo: Jozef Israëls / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品・教材の紹介はしていません。出典は末尾)。

「うちの子、嘘をつくようになった」と気づくと、将来が心配になる親もいます。研究では、子どもが嘘をつき始めることは、認知発達が順調に進んでいるサインの一つで、特定の年齢から急に増えることがわかっています。関わり方次第で、その後の正直さも変わってきます。

3行でわかる

  1. 2〜3歳の子ども65人を対象にした実験で、2歳児の嘘は2〜3割程度だったのに対し、3歳児では約9割が嘘をついたという結果が報告されています。
  2. 嘘をつく力は、我慢する力や考えを切り替える力など「実行機能」の発達と関連しており、実行機能が高い子どもほど嘘をつきやすい傾向が確認されました。
  3. 罰の多い環境の子どもの94%が嘘をついたのに対し、罰の少ない環境では56%にとどまったという研究もあります。

01結論から言うと

子どもが嘘をつくようになることは、多くの場合、認知発達が順調に進んでいるサインで、それ自体を心配する必要はないと研究でわかっています。

嘘をつくには、相手が自分と違う考えを持っていることを理解したり(心の理論)、本当のことを隠して別のことを言う自制心が必要です。2〜4歳ごろに嘘をつき始めるのは、こうした力が育ってきた証拠と考えられています。

ただし、嘘への対応の仕方によって、その後の正直さが変わることもわかっています。厳しく罰すると、かえって嘘が増え、嘘をつき通す力も高まるという結果が報告されています。

02研究とデータでわかっていること

嘘をつく子どもの割合は2歳から3歳にかけて急激に増え、罰の多い環境ではさらに嘘が増える傾向が確認されています。

約25〜33%「見ない」と言われたおもちゃを見た後、嘘をついた2歳児の割合(41人中、米国、2013年)
約90%同じ実験で嘘をついた3歳児の割合(24人・平均43.3か月、米国、2013年)

Evans・Lee(2013)[1]

2〜3歳の子ども65人(2歳児41人・3歳児24人)を対象に、見てはいけないと言われたおもちゃをこっそり見た後、正直に話すかを調べた実験です。見てしまった子どものうち、2歳児では嘘をついた割合が2〜3割程度だったのに対し、3歳児では約9割が嘘をつきました。また「我慢する力」「考えを切り替える力」などの実行機能のスコアが高い子どもほど、年齢を考慮しても嘘をつきやすい傾向が見られました。

対象: 米国の2〜3歳児65人 / 限界: 2歳児の嘘の割合は、質問の仕方によって実際より低く出た可能性があると著者らは指摘しています。

Talwar・Lee(2011)[2]

西アフリカの私立学校に通う3〜4歳児84人を、罰の多い学校と少ない学校に分けて比較した研究です。見てはいけないおもちゃを見た後に嘘をついた子どもの割合は、罰の多い学校で94%、罰の少ない学校で56%でした。罰の多い学校の子どもは嘘をつき通す能力も高く、罰の少ない環境の6〜7歳児と同程度でした。

対象: 西アフリカの私立学校に通う3〜4歳児84人(学校ごとに42人) / 限界: 子どもが学校にランダムに割り振られたわけではない自然実験です。

Leeら(2014)[3]

3〜7歳の子どもを対象に、おもちゃを見てしまった後に「ピノキオ」「狼少年」「ジョージ・ワシントンと桜の木」などの物語を聞かせ、正直に打ち明けるかを比較した実験です。嘘の悪い結末を描く「ピノキオ」「狼少年」では正直さは増えませんでしたが、正直にしたことの良い結末を描く「ジョージ・ワシントンと桜の木」を聞いた子どもは、有意に多く正直に打ち明けました。

対象: 3〜7歳の子ども(北米) / 限界: 各条件で正直に打ち明けた具体的な割合は要旨に示されておらず、効果の大きさの詳細は原文本体の確認が必要です。

03まだわかっていないこと

研究の多くは欧米・西アフリカの一部地域が対象で、日本の子どもにそのまま当てはまるかは分かっていません。何歳からが「嘘が多すぎる」と言えるかの明確な基準もありません。

  • 紹介した研究は主に欧米や西アフリカの子どもが対象で、しつけの文化が異なる日本の家庭にそのまま当てはまるとは限りません。
  • 「普通の発達」とされる嘘の頻度と、心配すべき嘘の頻度を分ける明確な基準は、今回調べた研究では示されていません。
  • 就学後(小学生以降)の嘘については、今回紹介した実験ほど厳密に年齢別の割合を調べた研究が見つかりませんでした。

04家庭で今日からできること

嘘をついたことを厳しく罰するより、正直に話したことを認める関わりの方が、その後の正直さにつながりやすいとわかっています。

1

嘘をついたときに、まず問い詰めずに事情を聞く

「なぜ嘘をついたの」より先に、何が起きたかを落ち着いて聞きます。

目安 2歳〜

2

正直に話せたこと自体を認める一言を添える

内容を叱る前に「本当のことを教えてくれてありがとう」と伝えます。

目安 3歳〜

3

「言えば怒られる」空気を減らす

失敗そのものより、隠したことを厳しく叱る対応は、かえって嘘を増やす可能性があります。

目安 すべての年齢

4

正直にして良かった話を日常の会話に取り入れる

「本当のことを言ってよかったね」という結末の話を、叱る話より多めにします。

目安 3歳〜

05よくある質問

4歳で嘘をつくようになりました。発達に問題があるということですか?

研究では、2〜4歳ごろに嘘をつき始めることは、心の発達(相手の視点を理解する力や自制心)が育ってきたサインとされ、問題行動ではなく発達の一段階と考えられています。

嘘をついたら、その場できちんと叱るべきではないですか?

研究では、罰が多い環境ほど子どもの嘘が増え、嘘をつき通す力も高まる傾向が報告されています。叱ること自体を否定するものではありませんが、正直に話したことを責めない対応が勧められています。

小学生になっても嘘が多い場合はどうすればいいですか?

今回紹介した研究は主に未就学児を対象にしたものです。小学生以降も嘘が続いて生活に支障が出ている場合は、学校や自治体の子育て相談窓口に相談できます。

出典

  1. Evans, A. D., & Lee, K. (2013). Emergence of lying in very young children. Developmental Psychology, 49(10), 1958-1963. https://doi.org/10.1037/a0031409
  2. Talwar, V., & Lee, K. (2011). A punitive environment fosters children's dishonesty: a natural experiment. Child Development, 82(6), 1751-1758. https://doi.org/10.1111/j.1467-8624.2011.01663.x
  3. Lee, K., Talwar, V., McCarthy, A., Ross, I., Evans, A., & Arruda, C. (2014). Can classic moral stories promote honesty in children? Psychological Science, 25(8), 1630-1636. https://doi.org/10.1177/0956797614536401